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EPCの実情

  • 執筆者の写真: Administrator
    Administrator
  • 2024年6月25日
  • 読了時間: 2分

EPC (Energy Performance Certificate)はその物件がどのくらいエコかを表した証書です。窓がガラス1枚なのか、二重窓、三重窓になっているか、ボイラーは最新のコンデンシングボイラーかどうか、屋根裏に断熱材が入っているか、壁や床に断熱材が入っているか、冷蔵庫は省エネの物かなどを総合的に判断し、AからGに分けられます。現状ではF以下の物件(エコではない物件)は賃貸できません。


Which(UKの消費者団体の最大手)が行った調査によるとEPCレーティング(A-Gのランク付け)が正しく行われていないとのことでした。

Whichのメンバーたちがメンバーであることを隠しEPCのアセスメントを依頼してみたところ、かなりの数で見落としのための低評価があったようです。これは屋根にソーラーパネルが付いているのに全く無視したり、天井の断熱材が入っていることを説明しその確認のための点検口まで伝えているのに断熱材が無いものとして評価されたり。WhichからEPCアセッサーへ連絡をとったところ再アセスメントとなりレーティングが一気に2段階上昇した家もあったようです。


この制度が出来てからしばらく経ちますが私が暮らし仕事をしているロンドンではEPC制度は当初から役に立つことは全くなく、不動産に関する手続きを複雑化してそこに係わる政府機関のお金儲けのための制度だと思っています。

政府の話ではアプリカントが物件を選ぶ際にEPCレーティングを比較して光熱費がかからないものを選べるように、なのですが、ロンドンで選べるほど多くの賃貸物件はありませんし、比較検討などしていたらすぐに物件が無くなってしまいます。また、ロンドンにも多いListed Building(歴史的建造物)と認定された家やフラット(日本で言うアパートやマンション)は外観の変更が厳しく規制されているため二重窓の取り付けが出来ずそのためレーティングが低いなどの話も耳に入ります。


この制度設立の理由は納得できますが、実際のアセスメントにいい加減なものが多いこととListed Buildingなどに対する手間のかからない優遇措置がないことなど、この制度が無くなるか制度が大幅に見直されることを願います。

 
 
 

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