日本の洗濯機は縦型(上に蓋が付いている)で洗濯槽にたくさんの水を溜めて洗うものが多いのですが英国のものは洗濯機の側面(正面?)に蓋(丸窓)が付いていて少量の水で時間をかけて洗うものがほとんどです。洗濯から脱水まで約1時間から2時間かかるのは普通です。エコモードにすると50分~60分くらいで脱水まで可能です。
日本だと選択の途中で忘れた洗濯物を放り込むこともできますがこちらのものでそれができるのは限られた製品(Sから始まるメーカーの製品)のみです。
さて、今回は洗濯機の仕組みについてです。
洗濯を開始するとまず水が洗剤の入ったトレイを通り、溶けた洗剤が洗濯機内に溜まります。洗濯機を見ると正面に丸窓が付いていてそれを開けるとドラム(洗濯槽)が見えますがドラムの下(ドラムの下の部分が水に浸るくらいまで)に水(洗剤が溶けた水)が溜まります。洗濯機内にはヒーティングエレメント(電気で熱くなる金属製の棒)がありこれによって水が温められ設定された水温での洗濯が可能となります。電気ケトルが洗濯機の中に入っているようなものです。
さて、イングランドの水は硬水で(ちなみにスコットランドの水は日本と同じ軟水)、電気ケトルをしばらく使っているとケトル内部の熱線や底の金属プレートなどに石灰がこびりつてしまうのはご存じかと思います。洗濯機のヒーティングエレメント部分でこれと同じ現象が起こってしまいます。電気ケトルであればこびりついた石灰の塊が落ちてきても塊を捨てれば良いのですが洗濯機のヒーティングエレメントは簡単に手の届かない部分に設置されています。ここで石灰の塊が落ちてしまうと洗濯機の排水パイプに送られてしまいます。
日本の洗濯機であれば洗濯機の汚水は重力によって洗濯機下にある排水口へと流れていきますがUKの洗濯機は排水のためにポンプを使っています。このポンプは洗濯機の下部に付いていて、このポンプの力によってキッチンシンクのU字パイプ付近に排水されます。洗濯機の排水部分よりも実際に排水する場所が高いため(50-60cmくらい高い)ポンプがないと排水ができません(ポンプによって汚水を押し上げて排水する)。
その大切なポンプに石灰の塊が入ったらどうなるでしょう。詰まったり、ポンプが壊れたりしてしまいます。そうなると”洗濯時の汚水が全く排水されない””洗濯機の中に汚水が溜まったまま””洗濯機の安全装置が働いて動かなくなる”などの症状が出てきます。
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